ドイツと日本 類似点と相違点
2017年3月24日(金)午後、西尾KIRARAロータリークラブにお
いて、モーラ・ヨルン氏が「ドイツと日本 類似点と相違点」と題してお話をされた。
「大都会の道路を歩いているところを想像してください。夜中の2時、人通りや交通量はなく、車は一台も走ってない。このような状況で道路を渡る前に赤信号で止まる歩行者は世界に二つの国しかありません。その国は、・・」と流ちょうな日本語で話しかけた。
国際情勢にも関心のあるロータリアンの方々は、熱心に聞いていた。
特に、ドイツと日本が第2次世界大戦で大きな過ちを犯したが、ドイツは徹底的に償いをしたことの話には大きな関心が集まった。
聞いていた方は、現在の情勢と比較して考えていたと思われる
最後に、モーラ・ヨルン氏から「ロータリアンとして、あなたたちは高い倫理観を奨励し、国際親善を推進しています。あなたは、あなたのことが正しいと思って立ち上がって、そうすることで、他人を支えることを目指します。」ということばに励まされたと思う。
さらに、「今後、日本とドイツはより多くの責任を負わなければならなくなるだろう。これは政治家だけでなく、私たちのような人々を意味します。私は、世界を教えるものがあると信じています。こんにちの強みの大きな部分は、過去から学んだことにあります。私たちは、他の人たちが私たちの前に何世代も同じ過ちをしてはならない。
ですから、我々の共通の強みと歴史教訓に留意して、私は日本人とドイツ人が互いに協力しあい、学びあい、家庭内で、世界で、寛容のために、正義、そして平和のために。 」で、話をまとめられた。
スピーチが終わって多くの人たちがモーラ・ヨルン氏のところに行った。すばらしいスピーチが届いていたと思った。次年度の会長さんが、私のところにきて、これからも、よろしくお願いします、とあいさつされたことが印象的だった。(M.H)
また、西尾KIRARAロータリークラブ会長の中根勝美様より感想をいただいていますので、ここに紹介します。中根様、ありがとうございました。
本日は日本に移住されて12年の日本とドイツ両国に造詣の深いモーラ・ヨルン様にロータリー例会の卓話にお越し頂きました。
ドイツと聞くと私の年代では、自動車を初めとした優れた工業製品、古くは3国同盟やホロコーストがまず初めに浮んで来ます。
今回の卓話時間はモーラ・ヨルン様にとっては30分と短かったと思いますが、日本とドイツの過去現在そしてこれから進むべき道についても忌憚ないお話を伺えました。
お話は物事の真髄を掘り出す内容であり、感銘しました。
強く心に残った事を記載させて頂きます。
①ドイツと日本の類似点について
共に国を荒廃させる長くて恐ろしい内戦を経験して統一国家を成立させた経験から、法と秩序の必要性を国民が持っている。
確かに日本は長い戦国時代を経て統一国家が成立した。
ドイツも長くまた多くの戦争によって統一国家が生まれている。
この背景が両国民の類似性を作っている。
②相違点
ドイツは第二次世界大戦により歴史に比類のないホロコーストでの罪悪感を持っていたが、それを乗り越えて、現在では経済面で成長し、また政治的にもEUの盟主として世界に影響を与えることが出来ている。
日本製品は称賛され、また文化は高く評価されているが、政治的には日本の声は世界では弱い。
この相違は戦争終了時の裁判の違いである。
ドイツはニュールンベルグ裁判を経て過去の徹底的な検討と反省をした。
日本の極東国際軍事裁判は、戦後の冷戦に直面した。アメリカが司法遂行や社会の改革より秩序と称賛性を取ったことであり不完全なものであった。
③今後について
50年代のドイツの、70年代の日本の経済奇跡は、議会民主主義のメリットを証明している。
今、国家主義と宗教的緊張が世界各地で拡大している。
日本とドイツは自由民主主義と国際協力の騎手の担い手になるかもしれない。
高い論理観を奨励し、国際親善を推進しているロータリアンは正しいと思って立ち上がり他人を支えることを目指すべきだ。
以上思いつくまま記載させて頂きましたが、モーラ・ヨルン様の卓話は、深い知識と強い精神力より培った内容であり感銘しました。
2017.4.1
西尾KIRARAロータリークラブ
会長 中根 勝美